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キセノンフラッシュ=ストロボの発明 エジャートン博士
1930年代に米国MIT(マサチューセッツ工科大学)のHarold Edgerton博士の手により安全で使いやすいガス封じ込めフラッシュ装置が発明されると、これが、一気に主流の座を占めるようになりました。 キセノンフラッシュの歴史は、Edgerton(とドイツのフリュンゲル=Frungel)の歴史といっても過言ではありません。 初期の頃のElectric flashはキセノンではなく水銀を用いていました。 水銀蒸気は、温度と蒸気圧によって発光輝度と発光時間がバラつくため適正露光を得るのに随分と骨が折れたそうです。 エジャートンは水銀に変えて希ガスのアルゴンを使ったフラッシュ装置を開発し、最終的にキセノンを封入したキセノンフラッシュ装置に落ちついたそうです。 キセノンにしたのは、発光スペクトルが太陽光に近く、発光効率も良く、またガスの熱容量 が小さいため短時間発光(サブマイクロ秒)が可能になるためでした。 この装置は、その後Eastman Kodak社によってKodatronの商品名で米国東部のスタジオで使われ始めました。 1940年、プロカメラマンJoe Costaが携帯用のKodatron portableをひっさげてプロボクシングJoe Luisのファイティングシーンを撮影し、それを「Life」誌に掲載しました。 短時間露光を可能にしたスポーツの瞬間写真は今までにないスポーツ報道の一面 を切り開きました。 その後エジャートン博士は、科学者として以上に、有能なカメラマンとして活躍しました。 フットボールを蹴る瞬間にボールが激しく歪んで靴にのめり込んでいる瞬間写 真や、棒高飛びの多重露光写真など有名な瞬間写真を次々と発表しました。 彼が取り組んだストロボには 1. 数百KHzの高周波数発光ストロボ 2. 数10nsパルスの極短時間発光ストロボ 3. ストロボを使った海底写真撮影 4. ストロボを使った夜間の航空写真撮影(地上高1.6kmより1Km四方を撮影) 5. 顕微鏡用マイクロギャップストロボ 6. 航空施設用ビーコンストロボ などがあります。 Edgerton博士はまた、自ら会社(EG&G社)を興し特殊なストロボバルブや電気素子を開発してその普及に務め、大きな功績を上げています。 EG&G社は、創設者の3人の頭文字、Harold Edgerton、 Herbert Grier、 Kenneth Germeshausenからつけられました。 フラッシュバルブならず光電素子、CCD素子などユニークな製品を開発する企業として知られていましたが、現在はPerkinElmer社の一部門になっています。 ※安藤幸司様のサイト”Anfo world”内「光と光の記録」より抜粋・引用させていただきました。

| https://nissin-ele.co.jp/tec/index.php?e=56 |
| ストロボ科学館::ストロボ・ストロボスコープについて | 03:20 PM | comments (x) | trackback (x) |
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